本来の歯科治療は、虫歯や歯周病で悪くなった部分を治療するだけではなく、虫歯にならないための予防治療と健康な状態を維持する事が重要です。
予防歯科では、日々のブラッシングでとれない汚れを、専門的技術と専用ツールを用い、完全に除去します。かたい歯石になる前にきれいにしておけば、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。
日本人の70歳時の平均残存歯数をご存知でしょうか?残念ながらたった8本といった結果が出ています。この数値は他の先進国と比べても極めて低いものです。日本では歯科医院に行く目的は、「歯の病気を治すため」と考える方が多く、定期検診で行くという習慣がはまだまだ浸透していないのが現状です。しかし、予防歯科先進国のスウェーデンでは、国民の9割が定期検診を受けていると言われています。その結果、70歳の平均残存歯数が20本というデータが出ています。
また、20本以上歯が残っている人のほうが寝たきりや痴呆になりにくいというデータもあり、単に歯を残すという観点のみならず、生活全般に関わってくることがうかがい知れます。ご自身の歯を一生涯、健康に保つためには、正しい知識と定期的な検診やクリーニング等の予防やメンテナンスがとても重要です。
いつもお口の中に食べ物が入っている状態は虫歯菌の思うツボです。虫歯にならないためにも、食事と食事の間にお口の中を休める必要があります。食べたり飲んだりすると、お口の中が酸性に傾いて歯が溶け始めます。虫歯菌にとってこの酸性の環境は住み心地がいいのです。
それでも虫歯になるとは限らないのは、「唾液」が酸を洗い流し、中和して溶け出した歯の表面を元に戻してくれているからです。
せっかくお口の中が健康ゾーンに戻りかけたのに、危険ゾーンに逆戻り。特に寝ているときは唾液がほとんど出ないので、寝る前のおやつは虫歯の危険度がとても高いのです 。
食事のたびにお口の環境が虫歯菌危険ゾーンに下がりますが、唾液により健康ゾーンに戻ります。リズムある食生活をしていると、お口の中が健康ゾーンでいる時間が長くなり、虫歯の危険は低くなります。